コリン・ファースの若い頃が今も色褪せない理由は、演技の方向性が一貫している点にあります。
単に「若い頃が美しかった俳優」ではなく、舞台を基盤にした抑制の演技を積み重ね、文芸作品を通じて評価を深めてきました。
私自身、最初は『高慢と偏見』のダーシー役で彼を強く印象づけられましたが、初期作品を遡るにつれ、若い頃からすでに現在につながる演技の核があったことに気づきました。
本記事では、BBC公式資料などの情報をもとに、コリン・ファースの若い頃と、その演技がどのように後年の代表作へとつながっていったのかを整理します。
コリン・ファースの若い頃とは?基本プロフィールと家族背景
結論として、コリン・ファースの若い頃を理解するには、家族構成と幼少期の生活環境を押さえることが重要です。
コリン・アンドリュー・ファースは
1960年9月10日、イングランド南部ハンプシャー州グレイショットで生まれました(Wikipedia英語版)。
父は歴史学を教える教育者で、ナイジェリア政府の教育関連業務にも携わっており、母は比較宗教学の大学講師でした。
Wikipedia英語版では、コリン・ファースは三人兄弟の長男で、
妹のケイト・ファースは女優・ボイスコーチ、
弟のジョナサン・ファースも俳優として舞台やテレビで活動しているとのことです。
また、生後数週間で父親の仕事の関係からナイジェリアへ移り、約5歳までを海外で過ごした後、イギリスに戻ったことが記録されています(Wikipedia日本語版)。
この時期の経験が俳優としての感性にどのような影響を与えたかについて、本人の明確な証言は残されていません。
ただ、教育者の両親と、幼い頃から多彩な文化に触れて育った事は、芸術分野に進んだことに影響を与えている可能性があります。
コリン・ファースの若い頃 『高慢と偏見』以前、名門演劇学校卒業
コリン・ファースの俳優としての基盤は、舞台演劇を中心とした専門教育によって築かれました。
彼はロンドンの演劇学校 Drama Centre Londonで正式に演技を学んでいます。
映像向けの即効性よりも、舞台に必要な発声・身体表現・古典劇の読解を重視することで知られている名門校です。
演技の中身で評価される学校として、非常に高い格を持っているとのこと。
名門演劇学校に合格したことが、まず、彼の才能を示していますね。
弟妹も演技の道に進んでいること、教育レベルの高いご家庭に育っていることを考えると、
幼い頃から、芸術に親しむ環境だった可能性がありますね。
また、「大学進学」のみでなく、子どもの才能を活かせる道に進ませてくれるような、
自由な雰囲気のご両親だった可能性が考えられます。
ただ、いつから俳優を志していたのかについて、本人が詳細に語った記録は確認されていません。
英国では、舞台経験は俳優の基礎能力を測る重要な指標です。
若い頃からこの環境で訓練を受けたことは、後年、抑制された演技を自然に成立させる下地となりました。
この段階で、すでに彼の、
「短期的な名声ではなく、長く演じ続ける」という
演技の方向性は、定まっていたと言えるでしょう。
(学歴等はwikipedia英語版を参照)
コリン・ファースの若い頃 『高慢と偏見』以前、『アナザー・カントリー』で映画デビュー
コリン・ファースの映画デビュー作が『アナザー・カントリー』(1984年)だったことは、舞台出身俳優として極めて自然な流れでした。
コリンは、同作の舞台版から映画版へと、続けて同じ役を演じています。
アナザー・カントリー は、1930年代の英国名門校を舞台に、理想と現実の狭間で揺れる青年たちの葛藤を描いた青春映画です。
英語版Wikipediaによれば、作者ジュリアン・ミッチェルが卒業した、イートン校がモデルだそう。
アナザー・カントリーは、初めは舞台の演劇作品として評価され、のちに映画化された作品であり、舞台的な演技が求められる内容でした。
Drama Centre Londonで舞台中心の訓練を受けていた彼にとって、発声や間、抑制された感情表現を映像に持ち込める点で、非常に相性の良い作品だったと考えられます。
1980年代後半には、同世代の若手英国俳優とともに「Brit Pack」と呼ばれることもありました(Wikipedia英語版)。
ただし、これは当時のメディア上の分類であり、彼自身がスター像を打ち出したわけではありません。
コリン・ファースは、この呼称から距離を置いており、
Brit Pack 的な「若くて美しい俳優」枠から、文芸作品・舞台型で、実力を積み重ね、
『高慢と偏見』『英国王のスピーチ』という流れで、ラベルを実力で振り切ったタイプと言えるでしょう。
コリン・ファースの若い頃『高慢と偏見』から『英国王のスピーチ』へ続く演技の系譜
『高慢と偏見』のダーシー役は、コリン・ファースの若い頃の積み重ねが評価された結果でした。
1995年、BBC制作のドラマ「高慢と偏見」で、彼はフィッツウィリアム・ダーシー役を演じ、広く認知されるようになります(BBC公式作品情報)。
ダーシーは、社会的地位の高さゆえに感情を表に出せず、内面に葛藤を抱えた人物です。この役は、演劇学校や舞台で培った、抑制の演技と強く噛み合いました。
BBC制作のドラマ『高慢と偏見』で演じたダーシー役は、コリン・ファースの評価を大きく高めた代表的な役です。
作品の背景やダーシー像については、こちらの記事で詳しく整理しています。
▶︎コリン・ファース『高慢と偏見』若い頃の名演|無言の演技に見る英国紳士の真髄

ブリタニカ百科事典でも、コリン・ファースの演じる人物像は「抑制された感情表現」「内面に葛藤を抱える知的な男性像」が特徴として挙げられています。
これは推測ですが、この演技の方向性が、のちの「英国王のスピーチ」におけるジョージ6世役へと、つながっていったのではないでしょうか。
ダーシー役で確立された内面表現の積み重ねが、王としての重圧と吃音の苦悩を誇張なく伝える下地になった可能性はあります。
「内的葛藤を表現する」という難しい役。ダーシーからジョージ6世へと至る流れは、偶然ではなく、長年の演技の系譜として捉える方が自然でしょう。
そして、この実力の積み重ねと、抑制の効いた演技が、コリン・ファースを長期間評価される俳優にしており、
「コリン・ファースの若い頃が色褪せない」理由だと考えています。
コリン・ファースの若い頃はなぜ色褪せない? 『高慢と偏見』から『英国王のスピーチ』へと続く演技の系譜 まとめ
コリン・ファースの若い頃が今も色褪せない理由は、演技の方向性が一貫している点にあります。
教育者の家庭に育ち、舞台を基盤とした演劇教育を受け、文芸作品を中心にキャリアを積み重ねてきました。その流れは、『高慢と偏見』のダーシー役で一つの結実を迎えます。
さらに、その抑制された表現は『英国王のスピーチ』で演じたジョージ6世へと受け継がれ、
「苦悩する国王」という人物像の表現で、深い説得力を持つ演技として評価されました。
若い頃のコリン・ファースを振り返ることは、現在の評価を理解するための最も確かな手がかりと言えるでしょう。

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