フランス発の大人気ミステリー『アストリッドとラファエル 文書係の事件録』シーズン5が完結しました。
第8話「完全犯罪の台本」は、宿敵ラマルクとの決着、そしてアストリッドとテツオの結婚式という、ファン待望の展開が目白押しです。
しかし、幸せな結末かと思いきや、アストリッドとテツオの結婚式で事件が起こります。
なんとラファエルに生命の危機が!
この記事では、シーズン5最終回の事件の真相から、結末のネタバレ、そしてシーズン6へ続く謎を徹底解説します。
シーズン5最終回のネタバレ、あらすじ
映画撮影での殺人
物語は、映画監督ポール・ジェラールの撮影現場で、主演俳優マチュー・マルニエが射殺される事件から始まります。
アストリッドとラファエルには珍しく、今回は倒叙ミステリーですね。
代表的なものは、刑事コロンボ。
視聴者は、「誰がやった?」ではなく、「どうやって解決していく?」という、探偵の動きを見ていくことになります。
、、、、さて、事件の話に戻りましょう。
撮影で使う空砲を、監督のポールがすり替え、
妻の不倫相手のマチューを亡き者にしようと謀ります。
映画の撮影で人を殺すなんて、大胆な計画ですが、この後どうなるのでしょうか。
通報で、アストリッドとラファエルのチームが、現場にやってきます。
映像を確認すると、休憩の前後で、違う銃が使われていることにアストリッドが気付きます。
また、監督は、銃が発射された瞬間に、撃たれた俳優に駆け寄っています。その早すぎるタイミングで、ラファエルは、監督が怪しいと睨みます。
表面上は、監督の妻メロディを巡る監督ポールと俳優マチューの確執が原因と思われましたが、検視では、弾丸の代わりに「人間の大腿骨」が使われていたことが判明。
人間の大腿骨?
マチューは胸を撃たれて死んだので、肋骨の破片ならわかりますが、これはどういうことでしょうか。
アストリッドが、これは本で読んだことがあります、と言い出します。
この異常な手口は、ミステリー作家エリック・エルネストの本の中のトリックでした。エリック・エルネストは、アラン・ラマルクの、もう一つのペンネーム。
脱獄して、姿を隠していたラマルクが、いよいよ姿を現したのです。
嫌な予感がしますね。
黒幕はラマルク
撮影場所のマンションの屋上で、監督とラマルクは密会します。
「完全犯罪だというから台本を頼んだのに、疑われたじゃないか」と、監督はラマルクを責めますが、「自分で書き換えたんだろう、悪い癖が出たな」と、ラマルクは相手にしません。
どちらにしても、監督は罪を逃れられないでしょう。
ラマルクは、監督が、俳優に駆け寄ったタイミングが早すぎたことと、観察力がないからヘマをした、と逆に監督のせいだと告げます。
そして、「私にとっては君がリスクだ」と言って、ラマルクは、監督を突き落として殺害。
結局、監督は、ラマルクにおもちゃにされただけだったようです。
利用価値がなくなったら、すぐに殺されてしまいました。
ラマルクのこういうところが、(悪い意味で)天才だな、と思えます。
監督がヘマをして、自分の手で始末するところまで、先を読んでいたのでしょうから。
「完全犯罪」とは、監督が逃げおおせる、という意味でなく、ラマルクが口封じをして終了、という意味だったのでしょうね。
警察が呼ばれると、監督のポケットからは、俳優のマチューが射殺された時刻が刻印された、地下鉄「ラマルク駅」の切符が。
わざわざこんなものを残すのは、目立ちたがり屋のラマルクのやりそうなこと。犯行声明です。
その後、ラマルクは犯罪資料局に侵入し、アストリッドと再会します。「謎解きが好きだろう?」と言って、アストリッドに封筒を渡して、彼は姿を消しました。
このとき、すでに彼の「恐ろしい台本」は動き出していたのです。
バチェラー・パーティーでの出来事
バチェラー・パーティーの計画
テツオと結婚することが決まっている、アストリッド。
ラファエルは、独身最後のパーティー、「バチェラー・パーティー」をしようと言い出します。
アストリッドは、「ほとんど服を着ていない男女が、不適切な行為をする会」だと言い、難色を示しますが、
ラファエルは、「服は着てるから大丈夫。独身生活を終わらせる儀式だよ」と、安心させます。
どんな会なのか、ちゃんと調べるところが、アストリッドらしくていいですね。
そして、「自分に合わない会はやりたくない」と、断ろうとするところに、
アストリッドの成長というか、幅が広がったところが見えて、微笑ましく思えます。
アストリッドの結婚を祝うバチェラー・パーティー当日。
ラマルクから渡された、謎解きの封筒を、開ける、開けないで、アストリッドとラファエルは、言い合いになります。
ラファエルは、「開けちゃダメ!」と言いますが、謎解きをしたいアストリッドは、なんだかんだと理屈をつけて、封筒を開けようとします。
結局、アストリッドは、封筒を開けてしまうのです。
時間を忘れて没頭するアストリッドを心配して、「今夜20時、社会生活向上クラブで。忘れないでよ!」と、パティーの時間を言いながら立ち去るラファエル。
パーティーの代わりに、、、、
案の定、謎解きに没頭するアストリッドは、会場に現れません。
がっかりするラファエル。
見かねたウィリアムがラファエルに「誰かを喜ばせたかったら、その人らしい物を贈るのがいい。パーティーも同じだ」と助言を与えます。
仲間たちはアストリッドを待つのをやめ、彼女のいる犯罪資料局へと集結します。
遅れたことを謝るアストリッド。
しかし、ラファエルは、「あなたにパーティーを押し付けてしまった」と、謝るのです。
「アストリッドのためにパーティーを開いて、楽しませたい」と思っていたけど、「自分がアストリッドを楽しませた」と思いたいだけだった、と気付いたのです。
ラファエルも、おおらかだけどガサツ、というキャラクターから、一段成長したようです。
「自分と他人は好きなことが違う」「他人が本当に望むことは何か?」と、思いやることができるようになってきました。
さて、犯罪資料局で、改めて、みんなで謎解きをすることに。
ラマルクの封筒には、
1、謎の文字列(暗号)、
2、たくさんの写真、
3、写真をバラバラに切ったパズル
など、彼らへの「挑戦状」とも取れるヒントが隠されていました。
ここで、アストリッドがリーダーシップを発揮します。
仲間たちを3つのグループに分け、
- ウイリアムなど、数学や科学に強いグループは、暗号
- ニコラなど、教養、文化に強いグループは、写真の共通点
- アストリッドとラファエルの二人は、パズル
と、皆の得意分野を理解した上での、分担作業を提案します。
素早い指示が、アストリッドの優秀さと成長を表していると感じます。
このシーンは、私が感動した展開となりました。アストリッドが孤独ではないことを証明する、最も良い場面です。
仲間たちが知恵を出し合い、3つの暗号を解読していくと、
- 座標
- ヨハネス・フェルメール
- 少女時代のアストリッドの写真
であることがわかります。
結局、バチェラー・パーティーは、謎解きになってしまいましたが、とてもアストリッドらしい「独身最後の活動」でしたね。
アストリッドの過去、戻った記憶
解読された座標が示したのは、空港近くの空き家。
ここは、空港予定地なので、人々は立ち退いた後。そして、家を壊すことも売ることもできない場所なので、空き家がそのまま放置されています。
座標の家の壁には、フェルメールの、「真珠の耳飾りの少女」の絵。絵を外し、壁を叩くと、空洞があるようです。
壊した壁の中から、なんと、ミイラのようになった死体が出てきました。
それは、かつて乗馬クラブで、アストリッドを殴ったり怒鳴ったりして、虐待していた乗馬コーチ、ドゥニ・シャルトルーだったのです。
その瞬間、アストリッドの脳裏に封印されていた、辛い記憶が蘇ります。
記憶の中で、アストリッドは、いつものようにドゥニに怒鳴られています。ついには、平手打ちされてしまい、パニックになるアストリッド。
そして、身を守るために、手にしていた干し草用フォークをそのコーチに向けていました。
記憶を取り戻し、ショックで倒れ込んだアストリッド。意識を取り戻すと同時に「私が犯人ではないか」という衝撃の言葉を口にします。
アストリッドが発作を起こすようになった頃と、ドゥニが行方不明になったのは、同じ頃なのだ、と。
けれど、ラファエルは、「そんなの信じない、あなたらしくない」と、サミに話を聞きに行こう、とアストリッドを励まします。
アストリッドが、謎解きをダシにすれば必ず手を出すことを利用する、ラマルクの狡猾さが目につきます。
そして、謎解きの結果、アストリッドの記憶は戻ったけれど、「自分は殺人犯かも」という、さらなる苦しみが生まれてしまいました。
ラマルクとの対決
事件の鍵を握る、アストリッドの友人だったサミの行方を追うラファエルたち。サミの父から、彼が2日前から失踪していることを聞き出します。
その直後、ラマルクから「スフィンクスの謎の視線」というメッセージが届き、一行は殺人が起きたマンションの屋上へ。
そこにはサミを人質にし、銃を突きつけたラマルクが、待ち構えていました。
ラファエルとニコラが銃を構える緊迫した状況下、サミを突き落とそうとしたラマルクに対し、ラファエルが発砲。弾丸は彼の胸を貫きました。
崩れ落ちるラマルクは、ラファエルに、「また君に邪魔された。陳腐な結末だな」と皮肉を言い、
アストリッドに向かって、「近いうちに会おう。幸運を祈る」という謎めいた言葉を遺し、絶命しました。
結婚式での出来事と、シーズン6への伏線
ラマルクの死で、全てが終わったかに見えました。
アストリッドとテツオの結婚式の当日。幸福な空気に包まれる中、亡きラマルクからの「贈り物」が届きます。
それは、死の直前に彼がセットした執念の計略でした。
結婚式の最中、いたずら心で、ラファエルは、預かっていたアストリッドの指輪をはめてしまいます。
なんと、指輪には毒が仕込まれていたのです。
ラファエルは毒に侵され、倒れ込んでしまいました。
救急車で運ばれるラファエルの安否は?心配になりますが、シーズン5では、安否ははっきりしていません。
物語は、最悪のクリフハンガーでシーズン6へと引き継がれることになります。
ここで注目したいのが、ラマルクからのメッセージ、「スフィンクスの謎の視線」です。
スフィンクスは、必ず真東を向いています。そして、古代エジプトでは、東は「再生」を意味する方角でした。
再生する前には、一度死ぬ必要があります。
私は、ラマルクはアストリッドを殺したかったのだと思います。なぜなら、指輪はアストリッドがはめるはずだったから。
アストリッドの生命に影響力を行使して、運命を支配する側、される側という、新しい関係に再生させたかったのかも?
そう思ってしまい、ゾッとしました。
アストリッドとラファエル シーズン5 最終話 考察
ここからは、私の視聴体験や、その他の知識を総合した、独自の作品解釈です。
この最終話では、ラマルクの異常性が際立っていました。
他人を貶めて、自分の優位性を誇示する、また、他人の賞賛を求める、ゆがんだ自己愛。
何か思いつくたびに、
いちいちアストリッドに連絡してくるのが、鼻につきます。
私は、ラマルクは、犯行声明や謎解きを渡すと言いながら、同じレベルで会話ができる知能の持ち主であるアストリッドに自慢、あるいは褒めてほしくて、わざわざ連絡してくるのではないかと思っているのです。
犯罪は芸術だと言うのなら、黙って犯罪の研究でもすれば良い。
それを、謎を解く前よりも、もっと辛い気持ちにさせるという、
嫌がらせをするために連絡してくるのです。
自慢して、褒めて欲しいのは、好かれたいからだろうと思いますが、
ではなぜ、嫌がらせしてくるのか?
他人の気持ちを踏み躙りたい、支配したい、優位に立ちたいという、
ゆがんだ自己愛が感じられます。
ラマルクは、アストリッドを気に入っています。
しかしそれは、自分と同等の知能を持つアストリッドを、今は対等だけど、いつか支配して、自分が上に立ってやろうという、
「支配する対象として、目をつけている」ということなのではないかな、と思うのです。
それが、結婚指輪に毒を仕込むという行為に、現れています。
まず、指輪は、アストリッドのものでした。だから、本当のターゲットは、ラファエルでなく、アストリッドです。
なぜ、幸せで満ち溢れている日に、わざわざ邪魔をするのか?
お前のことをなんでも知っているぞ、幸せをぶち壊す力を持っているぞ、殺すこともできるぞ、と、誇示したい。
つまり、支配してやりたいと思っているのでしょう。
そして、アストリッドに謎解きをさせた挙句、「アストリッド自身が人を殺したと思わせ、アストリッドを絶望させる」という、残酷な結末を用意しているのです。
他人をコケにし、遊び半分で人の心を傷つけるためには、どんな手間も惜しまない、ラマルクという男。
悪の天才、というと、聞こえが良すぎますね。
心理学的には、サイコパス+自己愛性人格障害の特徴を持つ、悪性自己愛性人格障害(悪性自己愛)と呼ばれる状態でしょう。
私はいつも思うのですが、
なぜ、ラマルクは、他人の弱点をよく知っているのでしょうか。
私は、まるで空気の中に、ラマルクが「悪意の触手」を伸ばして、
みんなのことを探っているような気持ちになり、空恐ろしくなるのです。
ラマルクは、死亡しました(したはず)。
これで安心、と思いたいけれど、彼のシンパや弟子を名乗る人物が、彼の遺稿をもとに、犯罪を実行する、、、、なんていう展開がないことを祈ります。
一方で、アストリッドが自らの過去と向き合い、仲間との強い絆で暗号を解いたことは、彼女の大きな成長でもありました。
ラファエルの命は助かるのか?そしてこの悲劇がアストリッドとテツオの関係にどう影響するのか。今後も目が離せません。
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ラマルクの異常な執着を心理学の観点から深掘りしました。悪性自己愛との関連も、この記事で詳しく解説しています。
アストリッドとラファエル|ラマルクの異常心理を考察|自称「犯罪の天才」その正体と執着の理由(ただいま執筆中、お楽しみに!)
最新情報 シーズン6でのラファエルの安否は?
2月23日、アストリッドとラファエルシーズン6が、ミステリーチャンネルで一挙放送されました。
トレイラー映像を見ると、なんとラファエルが車椅子に乗っている姿が、、、、。
一命は取り留めたようですが、まだ後遺症は残っているようです。
アストリッドやニコラが、車椅子を押している映像があり、周りの人が、ラファエルを支えている様子が見て取れました。
持ち前のガッツで、早く元気になってほしいものですね。
私はHuluでの配信を心待ちにしていますが、視聴でき次第、また詳しくお伝えしたいと思います。
まとめ
宿敵ラマルクとの決着、過去の真相、そして親友の危機。
あまりにも情報量の多い最終回でしたが、アストリッドがかつての「壁の中の死体」というトラウマを直視できたことは、一つの救いでもあります。
シーズン6の放送が待たれますが、今のうちにこれまでの伏線を振り返っておくのが正解かもしれません。本サイトでは、今後も各キャラクターの分析を続けていきます。

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