フランスで人気の2大ミステリー「法医学者マダムエール」と「アストリッドとラファエル」が夢のクロスオーバー(コラボ)を実現!
シーズン1第14話「目には目を」は、4人の個性的なキャラクターが織りなす化学反応と、オイディプス王を暗示する緻密な脚本が見どころです。
この記事では、ネタバレありで、事件の全貌と伏線回収を徹底解説します。
クロスオーバーエピソードの基本情報
第14話「目には目を」とは?
「法医学者マダムエール」シーズン1の第14話。
2024年にフランスで制作された特別エピソード。
原題は「OEil pour oeil」(目には目を)。
放送情報
日本では:
- シーズン1のみ放送・配信(ミステリーチャンネル、Amazon Prime Video、Hulu)
- シーズン2以降は未定
フランスでは:
- シーズン1(2018年)
- シーズン2(2020年)
- シーズン3以降も制作されている
- 現在までに5シーズン、全20エピソードが制作済み
出演キャスト
- ジュリー・ドパルデュー(アレクサンドラ・エール役)
- ベルナール・イエルレス(アントワーヌ・ドアノー役)
- サラ・モーテンセン(アストリッド役)
- ローラ・ドヴェール(ラファエル役)
*ドパルデューという名前には聞き覚えがあり、調べてみました。ジュリー・ドパルデューは、有名俳優ジェラール・ドパルデューの娘さんなのですね。
なぜこの2作品がコラボしたのか
「法医学者マダムエール」は、ボルドー法医学研究所に勤める法医学者アレクサンドラが、兄のアントワーヌ刑事とともに事件を解決するフランスの人気刑事ドラマ。
フランスのボルドー法医学研究所に勤めるアレクサンドラ・エールは、”遺体は真実を語る”がモットーの、有能でちょっと変わり者の法医学者。真相究明のためなら解剖室の外に飛び出し、身分を偽って事件関係者に聞き込みをしたり事件現場に潜り込んだりして、兄である刑事のアントワーヌを困らせている。
(ミステリーチャンネルHPより)
一方、「アストリッドとラファエル」は、NHKでも放送されシーズン5まで続く大人気シリーズ。自閉症の資料係アストリッドと、猪突猛進型のラファエル警視がパリで難事件に挑みます。
両作品とも、「型破りな主人公」「振り回される真面目な相棒」という共通点があり、ファン待望のクロスオーバーが実現しました。
4人のキャラクターが織りなす化学反応
アレクサンドラとラファエル:ハチャメチャコンビの暴走
この回の最大の魅力は、なんといってもアレクサンドラとラファエルのハチャメチャコンビです。
真面目な二人(アストリッドとアントワーヌ)を別の捜査に行かせておいて、このコンビは記者を装い、民間療法の医師を名乗る人物のところへ聞き込みに。
その帰りに、二人でワインを飲み始め、酔った勢いで「私たちは連続殺人鬼よ!」などと周囲を脅し、憲兵に通報されて拘束されてしまいます。
フランスは飲酒に寛容なお国柄なのでしょうか。日本だと、ランチタイムにビールなんて考えられませんよね。
ともあれ、酔った勢いでやりすぎた二人は、厳しめのお仕置きを受けることになりました。
身柄を引き取りに行ったアントワーヌは渋い顔。
妹にはいつも手を焼かされているのに、そのトンデモに乗っかる警官がいるとは!
しかも、管理職のコスト警視です。
実際、アントワーヌは「(妹が)彼女と組むと最悪だ」と言っています。お兄さん、お気の毒です。
振り回される兄(アントワーヌ)の存在感
相変わらず振り回されているアントワーヌですが、色々な仮説を立て、地道な捜査を行っていき、最後には真相に辿り着きます。
アントワーヌが存在することで、バランスが取れ、事件がただのドタバタでなく、ちゃんとした捜査になっています。
アストリッドとアレクサンドラ:才能が響き合う瞬間
一方、アストリッドはアレクサンドラの検死を見学。
使う道具が型破り(消毒したフォーク!)だったりして、ちょっと気に入らない様子。
でも、「私は自閉症です」と言うと、「人と違う視点を持っているのは素晴らしい」とアレクサンドラに言われます。
そして、照れ笑いしながら、機嫌がいい時に出る「フフン」という声を出すアストリッド。
アレクサンドラのことが気に入った様子です。
こだわりが強いところは上手く合いそうな二人。実際、被害者が神経疾患だということを二人で検死し、突き止めます。
ラファエルの初恋:子供の頃の思い出
初対面から、アントワーヌ刑事に「ビビッときて」しまったラファエル。彼がいると固まっていると、アストリッドに指摘されます。
後でわかるのですが、ラファエルとアントワーヌは子供の頃、キャンプ場で出会っていました。なんと、アントワーヌはラファエルの初恋の人だったのです。
これには驚きました。
アントワーヌ刑事にビビッときてしまったのも、これで納得です。
あらすじ【前半はネタバレなし】
事件の始まり:パリの玉ねぎ瓶詰めとボルドーの遺体
物語はパリから始まります。白髪の老婦人が料理をしようとしています。
玉ねぎの瓶詰めを開けようとするけれど、なかなか開きません。タオルを蓋に巻いて、力いっぱい回します。
やっと開いた瓶の中を見て、お婆さんは気絶してしまいました。
それもそのはず。瓶の中には、小粒の玉ねぎに混ざって、人間の眼球が入っていたのです。
玉ねぎと眼球の大きさが同じくらいなのですが、これはブラックジョークでしょうか?
瓶の外からだと、わからなくても無理はないと思ってしまいます。
食べ物の中に人体の一部が入っているなんて、考えただけでも恐ろしいですね。見てしまったお婆さん、本当にお気の毒です。
一方、ボルドーでは、ゴミ袋に入った男性の遺体が見つかります。その遺体の眼球は、メスで切除されていました。
パリの眼球と、ボルドーの遺体。お互い、欠けたところを探しているけれど、見つかったようです。
合同捜査の決定:パリvsボルドーの管轄争い
パリチームが、ボルドーまで眼球を持って、遺体を引き取りに行こうとなります。ところが、どちらが捜査を担当するかでもめ始めます。
「眼球が見つかったのが先だから、パリが捜査」
「いやいや、遺体の大部分が見つかったのはボルドーだから」
と、双方一歩も引きません。
議論好きのフランス人らしいと私は思いました。そして、どちらも仕事熱心ですよね。
私なら、面倒なので「どうぞどうぞ、お先にどうぞ」と、さっさと譲ってしまいそうです。
結局、決定権のある検事が間に入り、「合同捜査を選択する」と命令が下ります。さっきまで大モメしていた4人は顔を見合わせますが、上席からの命令です。
仕方なく、4人で捜査開始となりました。
捜査の展開:眼球が慎重に切除された理由
結局、眼球は死後、慎重に切除されたということがわかります。
なぜ、眼球を傷つけないように、慎重に切除したのか?
この辺、殺された理由と関係がありそうです。つまり、切り刻んだり、傷つけたりして暴力を振るうのが目的ではないということですね。猟奇殺人とは違うようです。
面白くなってきました。
事件の真相【完全ネタバレ】
ここから先は犯人や動機が明らかになります。未視聴の方はご注意ください。
真犯人と動機:兄弟の確執が生んだ悲劇
犯人は被害者の兄でした。
兄は、数年前に父親を殺害し、今回、弟も殺害しました。動機は、常に優秀な弟と比較され、全てを奪われたという恨みです。
なぜ兄は二人を殺したのか?
兄は、優秀な弟と常に比べられていました。そして、父親は家業であるワイナリーを弟に譲ろうと考えていたのです。
いつも弟が優遇され、弟を憎んでいた兄は、
「弟に全てを与えようとした父を罰した」
「自分は、弟に全てを奪われた」
という理由で、二人を殺したのです。
事件の背景
幼少期:
被害者の遺体には、服で隠れる部分に幼少期の火傷の痕が複数ありました。兄の証言では「父親が虐待していた」とされていましたが、実は虐待していたのは兄自身だったのです。
数年前:父親の死
拳銃自殺だと思われていた父親の死。しかし真相は、兄による殺害でした。弟に家業を譲ろうとした父を、兄が射殺したのです。
弟による脅迫:
弟は、兄が父を殺したと知っていました。凶器の拳銃を隠し持ち、兄を脅迫。神経疾患の高額な治療費を出させていたのです。
今回の事件:
脅迫に耐えかねた兄は、ついに弟を殺害。そして、弟の隠し金庫(脅迫の証拠や金が入っていたと思われる)を開けるため、眼球を虹彩認証に使用したのです。
かくして、幼少期から続いた兄弟の確執は、二つの殺人という悲劇的な結末を迎えました。
継母との禁断の関係
事件にはもう一人、共犯者がいました。
父の後妻は、息子たちと同じくらいの年齢。なんと、出会ってすぐ、継子である兄と恋に落ちてしまったのです。
継母は義理の息子である兄と通じ、共犯となりました。
「眼球はタマネギ畑に捨てた」と継母は供述します。
捨てた眼球の片方が、収穫したタマネギと一緒に工場で瓶詰めにされてしまったようです。
もう片方の眼球はどこへ?
私が気になったのは、もう片方の眼球の行方です。
おそらくタマネギ畑のどこかに埋もれているのでしょうが、あまり想像したくありません(怖い!)。
オイディプス王との見事な伏線回収
暗号解読のキーとなった古典
兄と弟は暗号でやり取りをしていたのですが、解読のキーとなる本が「オイディプス王」でした。
オイディプス王は、そうとは知らずに父を殺し、母と結婚してしまったと知り、自分の犯した罪を悔いて、自らの手で自分の両目を潰すというギリシャの悲劇です。
「目には目を」タイトルの深い意味
眼球を失ったのは弟でしたが、命と眼球を奪った兄は、このあと自分の人生の残りを使って償いをしなければなりません。
かくして、罪人は犯した罪と同じだけの咎を受けることとなり、「目には目を」という結末になったのでした。
罪と罰の対応関係
- 兄と継母の恋愛
- 父親殺し
- 眼球切除
- オイディプス王
このスペシャルな回にふさわしい、見事な伏線回収でした。
私は、視聴者として、ミステリーファンとして、とても満足しました。
まとめ:コメディとミステリーの絶妙なバランス
「法医学者マダムエール」シーズン1の第14話「目には目を」は、いつものアントワーヌとアレクサンドラの他に、アストリッドとラファエルが活躍する夢のクロスオーバー回です。
豪華キャストの化学反応と、緻密なストーリーは必見。
私はこの回、謎解きも素晴らしいと思ったのですが、すっかりコメディ回として楽しんでしまいました。
現在、字幕のみでの配信ですが、フランスドラマの入門編としてもおすすめできるエピソードです。ぜひ、見てみてください。


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