ルイス警部 シーズン9第1話「悲しみの童歌」ネタバレ、伏線徹底解説!

番組情報

ルイス警部シーズン9第1話「悲しみの童歌」のネタバレを、事件解決に焦点を当てて徹底解説!

井戸から発見された遺体の正体、アーティスト殺害の真犯人、童謡に隠された伏線まで完全網羅。二度目、三度目の視聴が楽しくなる深読みポイント満載!

童謡「One for Sorrow」に隠された事件の真相、タリカの作品が暗示する重要なメッセージ、犯罪の隠蔽、初見では気づけない伏線と演出の意味など、盛りだくさんの内容です。

初見では、「普通だな」と終わっていた方にこそおすすめ。

ルイス警部ファイナルシーズンを、最大限楽しむための必読ガイドです。

※この記事は完全ネタバレです。未視聴の方はご注意ください。

 

シーズン9でのキャストたちの人間関係の変化、ハサウェイのお父さんの認知症、ルイスの旅立ちなどについて書いた記事はこちら↓

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  1. ルイス警部 シーズン9第1話「悲しみの童歌」のあらすじ
    1. 二つの事件
    2. 事件の真相
    3. 結末
  2. ルイス警部 シーズン9第1話「悲しみの童歌」ネタバレ、伏線徹底解説!テーマは秘密と童謡
    1. 童謡「One for Sorrow」が示すもの
    2. 「7」という数字の意味
  3. ルイス警部 シーズン9第1話「悲しみの童歌」ネタバレ、伏線徹底解説!剥製の動物が象徴するもの
    1. カササギ
    2. イタチ
  4. ルイス警部 シーズン9第1話「悲しみの童歌」ネタバレ、伏線徹底解説!事件の真相は?
    1. スタンフォード監獄実験の悲劇
      1.  3年前に何が起きた?
      2. 悲劇の始まり
      3. 隠蔽の連鎖
        1. 第1の隠蔽(3年前):
        2. 第2の犯罪(現在):
        3. 第3の犯罪:
  5. ルイス警部 シーズン9第1話「悲しみの童歌」ネタバレ、伏線徹底解説!見逃せないシーン
    1. タリカとオリーの出会い
  6. ルイス警部 シーズン9第1話「悲しみの童歌」ネタバレ、伏線徹底解説!初見では気づけない伏線ポイント
    1. 作品展の映像
    2. タリカとオリーの表情
    3. 剥製の動物の選択
    4. 注射痕の位置
    5. 光を使っての表現
  7. ルイス警部 シーズン9第1話「悲しみの童歌」ネタバレ、伏線徹底解説!裏テーマは家族
    1. ドラマの裏テーマを徹底解説!
    2. 3つの家族とその行く末
      1. ハサウェイ家
      2. テッドマン家
      3. ジャスパー・ハモンド(剥製師)
  8. ルイス警部 シーズン9第1話「悲しみの童歌」ネタバレ、伏線徹底解説!まとめ
    1. 不都合な結末?でもそれが現実

ルイス警部 シーズン9第1話「悲しみの童歌」のあらすじ

二つの事件

井戸の遺体 オックスフォードの考古学調査中、古井戸から3年前に遺棄された遺体が発見される。被害者はインドレク・カルダという東欧系移民。

アーティストの死 前衛アーティストのタリカ・デザイが、ヘロイン過剰摂取で死亡。彼女の作品展「One for Sorrow(悲しみの童歌)」が直前に開催されていた。

事件の真相

3年前、心理学教授ヴィヴィアン・テッドマンがスタンフォード監獄実験を実施。急遽、15歳の息子オリーが看守役で参加したが、暴力的になり囚人役のインドレクを殺害。

教授夫妻は研究資金を失うことを恐れ、遺体を井戸に隠蔽。実験を記録していたタリカに口止め料を払っていたが、彼女が作品で真実を暗示したため殺害。さらに証拠隠滅のため施設管理者も毒殺未遂。

結末

テッドマン夫妻逮捕。オリーは3年間自首したかったが、親がそれを止めていたことが判明。

 

ルイス警部 シーズン9第1話「悲しみの童歌」ネタバレ、伏線徹底解説!テーマは秘密と童謡

シーズン9第1話は、カササギの童謡をモチーフにした複雑な事件です。

井戸から発見された3年前の遺体と、前衛アーティスト・タリカの不審死。一見無関係な二つの事件が、実は心理学実験の闇に繋がっていました。

童謡「One for Sorrow」が示すもの

第1話のタイトルであり、タリカの作品名でもある「One for Sorrow」。この童謡が事件の鍵です。

One for sorrow(1羽は悲しみ)

Two for joy(2羽は喜び)

Three for a girl(3羽は女の子)

Four for a boy(4羽は男の子)

Five for silver(5羽は銀)

Six for gold(6羽は金)

Seven for a secret never to be told(7羽は決して語られない秘密)

 

「7」という数字の意味

タリカの作品展で披露された剥製と映像のインスタレーション。

剥製は、棺桶に入ったイタチ(首輪に「7」のチャーム)を、穴の空いた目隠しをされたカササギが見ています。棺桶のそばには十字架。

映像は、デモや暴動のシーンが流れ、その中に一瞬だけ、「7」の背番号をつけた人物が黒ずくめの人物に棍棒で殴られる映像が挟まれます。

この「7」こそが、決して語られない秘密=井戸の遺体を指していたのです。

 

ルイス警部 シーズン9第1話「悲しみの童歌」ネタバレ、伏線徹底解説!剥製の動物が象徴するもの

カササギ

英国では「おしゃべりな人(秘密を言いふらす人)」の象徴。タリカの作品の剥製で、目隠しに穴が空いているのは、「真実を見た、私は黙っていない」というタリカの意思表示。

イタチ

「ずる賢い、責任を回避する人物」の象徴。棺桶に入っているのは、「罪を逃れようとした人が秘密を抱えたまま埋葬される」ことを示しています。

この作品でのタリカのメッセージは、
「罪を逃れようとした人を見た。私は黙っていない」
です。

 

ルイス警部 シーズン9第1話「悲しみの童歌」ネタバレ、伏線徹底解説!事件の真相は?

スタンフォード監獄実験の悲劇

 3年前に何が起きた?

実験心理学のヴィヴィアン・テッドマン教授が、スタンフォード監獄実験を実施。

参加者は看守役と囚人役各8名ほど。看守役3がドタキャンした。

心理学の優秀な学生だったタリカは、この実験の記録係です。

悲劇の始まり

ドタキャンした参加者の代わりが必要です。

急遽、教授の息子オリー(当時15歳)が「看守3」役で参加。

実験が進むにつれ、オリーは暴力的にエスカレート。

「囚人7」のインドレクを棍棒で殴り、ベランダから突き落として死亡させてしまいます。

隠蔽の連鎖

第1の隠蔽(3年前):

ヴィヴィアン教授は研究資金を失うことを恐れ、夫イアンと共に遺体を古井戸に遺棄。

第2の犯罪(現在):

タリカが作品展で真実を暗示したことに気づいたテッドマン夫妻。口止め料を断られ、暴露を恐れたイアンがタリカをヘロイン注射で殺害。

しかし、左利きのタリカの左腕に注射してしまい、ルイス警部に殺人を疑われる。

第3の犯罪:

証拠隠滅のため、ホームレス更生施設の管理者、ブライオニーにも致死量の薬を盛る。彼女は、警察署での尋問中に倒れたため、一命を取り留める。

 

ルイス警部 シーズン9第1話「悲しみの童歌」ネタバレ、伏線徹底解説!見逃せないシーン

タリカとオリーの出会い

作品展で、タリカはオリーと再会します。

表情の変化に注目

1. 驚き:お互い「あの時の…」と気づく

2. 緊張:二人とも落ち着かない様子

3. 開き直り:タリカの表情が変わる

「で?あなたはどうするの?」と無言で問いかけているような表情

初見では見逃しがちですが、この数秒が事件の核心を示しています。2回目、3回目の視聴では、この表情の変化を追うことで、事件の全貌が見えてきます。

ルイス警部 シーズン9第1話「悲しみの童歌」ネタバレ、伏線徹底解説!初見では気づけない伏線ポイント

作品展の映像

数秒だけ映る「7の背番号」の人物が殴られるシーン。これが実際の殺人現場の録画でした。

タリカとオリーの表情

出会った瞬間の緊張感。これに気づけるかどうかで、2回目の視聴が格段に面白くなります。

剥製の動物の選択

カササギとイタチが選ばれた理由。何を象徴しているかを知ることで、タリカのメッセージが理解できます。

注射痕の位置

左利きなのに左腕に注射?この矛盾から、ルイス警部は殺人を確信しました。

光を使っての表現

この作品は、本当に、「光」をうまく使って表現しています。

「死」を思わせる、遺体が隠されていた井戸や、ジャスパーの剥製工房などは、暗い光で表現されます。

ハサウェイ、お父さん、ルイスで釣りをするシーンなどは、明るい、暖色系の陽光。

テッドマン家の犯罪が明るみに出るシーンでは、白っぽい光の庭です。

「光、色調」に注意してドラマを見ていくと、また違った見方ができますよ。

 

ルイス警部 シーズン9第1話「悲しみの童歌」ネタバレ、伏線徹底解説!裏テーマは家族

ドラマの裏テーマを徹底解説!

このドラマのテーマは、「秘密」です。

けれど、それが「家族」の危機を通して描かれています。

私は、シーズン9第一話の裏テーマは、家族だと思います。

3つの家族とその行く末

この話には、3つの家族が出てきます。

ハサウェイ家、テッドマン家、ジャスパー・ハモンド(剥製師)家です。

どこもそれなりに問題があります。

ハサウェイ家

ジェームズ・ハサウェイ警部の家族です。

認知症のお父さんが施設に入ってしまいました。忙しいハサウェイは、普段は父親の世話は、妹に任せきり。

休暇を取って見舞いに行くも、お父さんに忘れられてしまっていて、どう振る舞えばいいのかわかりません。
逃げるように、休暇を切り上げ、仕事に戻ります。

あなたは私にだけ介護を押し付けて、、、と、ハサウェイは妹に責められます。家族は、お父さんの変化で、揺らいできます。

けれど、第一話の最後。
ルイス警部が、ハサウェイ、ハサウェイの父を誘い、三人で釣りに行きます。

天気のいい日です。お父さんは釣りができて嬉しそう。

「息子と釣りをしたいけど、本好きで」と、残念そうです。
大人になった息子を認識できないお父さん。
ハサウェイの表情が、悲しみを誘います。

でも、ルイスのおかげで、ぎごちないけれど、家族の愛を感じられる場面になっています。
ちょっとした問題はあるけれど、家族愛で乗り切っていけそう。

明るい陽光が、それを暗示していて、このシーンではホッとします。

多分、お父さんと過ごせる時間は、そんなに長くないはずです。

ハサウェイ警部には、一緒に過ごせる残りの時間を大切にして欲しいと、心から願います。

テッドマン家

息子のオリーが殺人を犯してしまった。そして、両親が隠蔽して、死体遺棄をする。

事件の隠蔽については協力しあっているけれど、夫婦は冷え切っています。
責任逃れの時だけ協力し合っているのが、なんとも醜い。

オリーが警察に行こうとするのを、大学教授である母親は、「研究費が出なくなる」ことを理由に、行かせません。

3年もの間、罪悪感に苛まれたオリーは、いつも顔に爪で引っ掻いた傷跡があります。

自分では、「ラグビーで」というのですが、ラグビーでは、顔に引っ掻き傷は(ほぼ)つきません。

筆者の行っていた高校、ラグビーが強かったのですが、あんなのは見たことがありません。

肩より上のタックルは禁止ですし、スクラムが崩れたら、打撲か擦過傷になると思います。

母親は心理学の教授なので、オリーの傷がなぜついているのか、思い至らないわけはないでしょう。

しかし、「ラグビーを自傷行為としてやっている」と人前で解説してみせるのです。息子をそこまで追い込んでいるのは自分なのに。

冷酷ですね。人間の心はないのでしょうか?

子供より研究費の方が大切な親。とんだ毒親です。
この親たちを見るたび、激しい怒りを感じてしまいます。

そして、ドラマ終盤、ついに全ての犯罪が明るみに出ます。

家族が「話を聞こう」と言われるのが、明るく晴れた庭。
文字通り、白日の下にさらされるのでした。

実は、この家には、おばあちゃんがいるのですが、いつも無視されています。

出かける時も連れて行ってもらえないし、部屋に閉じ込められたりして、ないがしろにされています。

いつも後ろから、みんなを心配そうに眺めるだけの存在なのです。

テッドマン家は、事件解決とともに崩壊しました。

全員が殺人事件に関与していて、これから収監されるでしょう。

唯一、罪を犯していないおばあちゃんの行く末が、心配になります。

ジャスパー・ハモンド(剥製師)

ジャスパーは剥製師です。妻に先立たれ、子供はいません。

自分の剥製店を持っています。

剥製アーティストのタリカは、元は心理学の優秀な大学院生でした。

殺人と死体遺棄に関わってしまったことで、大学院を辞め、ジャスパーの弟子になり、再出発します。

ジャスパーはタリカに好意を持つようになり、面倒を見て、剥製の店の二階に住まわせて、ネックレスも贈りました。

ジャスパーの甥、ショーンは、借金を抱え、叔父の店で美術エージェントをしています。

タリカを見出し、売り出そうとしていますが、タリカは殺されてしまいました。

ショーンは、タリカの死が話題になったとみるや、タリカの作品の値段を、2倍に吊り上げている描写があります。

身近な人の死を、金儲けに利用できる品性の持ち主です。
醜い、の一言です。

金のためにはなんでもやるショーン。
結局、麻薬の密売に手を染めていたのが露見。

タリカは死に、ショーンは捕まり、ジャスパーは一人きりになってしまいました。

事件解決後、ジャスパーは店を閉めて売りに出します。

そうして、一人で剥製作りを再開するのです。

店を閉めたのになぜ?
一人きりで、他にすることもないから、でしょう。

甥、弟子と一緒に過ごした擬似家族は、タリカの死をきっかけに、崩壊しました。

剥製作りをしている真っ暗な部屋で、老人が孤独に作業する姿が浮き彫りになる、悲しすぎる結末です。

 

ルイス警部 シーズン9第1話「悲しみの童歌」ネタバレ、伏線徹底解説!まとめ

不都合な結末?でもそれが現実

シーズン9第1話は、隠蔽したはずの死体が発見され、更なる悲劇を呼びます。

心理学実験の闇、隠蔽の連鎖。犠牲になる人々。

童謡「One for Sorrow」に込められた意味、タリカの作品が示す真実。

すべてが複雑に絡み合った、ファイナルシーズンの幕開けにふさわしい傑作エピソードでした。

面白かった!では終わらない、複雑な感情が残るドラマです。

ぜひ、伏線と表情の変化に注目して、2回目の視聴を楽しんでください!

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