30年の歴史に幕を下ろした名作ミステリー
「オックスフォードミステリー ルイス警部」シーズン9は、2015年に製作・放映されたシリーズ最終章です。
コリン・デクスター原作の「主任警部モース」から続く、オックスフォードを舞台にした本格ミステリードラマは、このシーズン9をもって終焉を迎えました。
本記事では、シーズン9の見どころ、各エピソードの魅力、そしてなぜシーズン10が製作されなかったのかまで、ファイナルシーズンのすべてを徹底解説します。
注)犯人など、かなりの部分でネタバレしています。ドラマを見ていない方は、該当部分を飛ばしてお読みください。
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ルイス警部 シーズン9完全ガイド!シーズン9最大の見どころ
深まるルイスとハサウェイの絆
シーズン9では、ルイス警部と相棒ハサウェイの関係性が、これまで以上に深く、成熟したパートナーシップへと昇華していきます。
一度退職を経験したルイスは、刑事という仕事への深い愛情と情熱を再確認します。かつての上司モースのように、刑事として生きることを選んだルイスの姿は、多くのファンの心を打ちました。
ハサウェイの人間的な成長と葛藤
シーズン8で警部に昇進したハサウェイは、認知症を患う父親の介護という私生活での大きな問題に直面します。
これまで知的でクールな印象だったハサウェイの、人間的な脆さと強さが描かれる重要なシーズンです。
ルイス警部が多くを語らずに、休日にハサウェイ親子を釣りに誘い、父子の関係を取り持とうとするシーンは、シーズン9のハイライトのひとつ。
ルイスの温かい人柄がストレートに表れた名場面として、多くのファンの記憶に残っています。
新たな上司ムーディ警視正の登場
シーズン9では、レベッカ・フロント演じるイノセント警視正がサフォーク警察に異動し、代わりにスティーヴ・トウセイント演じるジョセフ・ムーディ主任警視が着任します。
ムーディ警視正はルイス警部の存在意義に疑問を持っていて、それを隠そうともしていません。でも、正しいと思ったことを通し、捜査能力が高いルイス警部を、徐々に信頼していきます。
最終話では、休暇に出かけるルイス警部に、「戻ってきたら即戦力を期待している」と声をかけるまでに。
ムーディ警視正がいることで、人間関係に緊張感が生まれ、ドラマには良いスパイスになっていました。
ルイス警部 シーズン9完全ガイド!あらすじ、ネタバレなど見どころも徹底解説!
シーズン9は三話構成です。
第1話「悲しみの童歌」
あらすじ: オックスフォードの考古学発掘現場で、予想外に新しい遺体が井戸の中から発見されます。ホブソン博士の鑑定により、遺体は3年前に埋められた成人男性と判明。同時期に、前途有望な若手アーティスト、タリカ・デザイが薬物過剰摂取で死亡しているのが発見されます。
一見無関係に見える2つの事件。しかし、タリカの前衛芸術展「One for Sorrow」には、井戸の遺体との奇妙な繋がりが隠されていました。ルイスたちは、ソーシャルメディア、ドラッグ、剥製術、オルタナティブアート、そして東欧からの移民コミュニティという複雑な世界に踏み込んでいきます。
見どころ:
- 新しい上司ムーディ警視正の登場により、ルイスの立場が揺らぐ緊迫感
- ハサウェイが認知症の父親と向き合う感動的なサブプロット
- 最後にルイスが父子の釣りに同行し、温かくハサウェイをサポートする名場面
- 多くの伏線が、ラストに向かって収束し、解決を迎える、ストーリーの緻密さ
- 童謡「One for Sorrow」(カササギの歌)に隠された事件の真相
- 光の使い方が秀逸。遺体が発見されたのは、真っ暗な井戸の中。遺体を引きあげると、オックスフォードの明るい陽光。「死」を思わせる剥製師の作業場は薄暗いが、外は明るく晴れている。というように、「死」と関連する場面は薄暗く、生きた人々の世界は明るく、と光を使って表現されています。
事件の真相:
井戸の遺体は東欧移民のインドレク・カルダ。
心理学者のヴィヴィアン・テッドマンとタリカが行った刑務所の力学に関する実験中に、15歳のオリー・テッドマンが殺害してしまいました。
タリカはこの秘密を知り口止め料を受け取っていましたが、事件を暗に告発する作品を発表したことで、最終的にオリーの父イアンに殺害されます。
ルイス警部シーズン9第1話「悲しみの童歌」完全ネタバレ解説。井戸の遺体の正体、心理学実験の闇、タリカが作品に込めたメッセージまで徹底分析。初見で見逃した伏線が全てわかる! ↓

第2話「錬金術殺人事件」
あらすじ: オックスフォードのある森で、大学学部長フィル・ベスキンが撲殺されているのが発見されます。遺体のそばには錬金術の神秘的なシンボルが描かれていました。ルイスとハサウェイは、これが最初の殺人ではないことに気づきます。
捜査を進めるうち、被害者たちには共通点があることが判明します。彼らは皆、ある秘密の儀式に参加していたのです。キリスト教の秘儀と錬金術が融合した、許しを求める儀式。しかし、その儀式は悲劇的な結果をもたらしていました。
見どころ:
- 錬金術という知的で神秘的なテーマ
- オックスフォードの学術的な雰囲気を最大限に活かした演出
- 被害者たちが抱えていた罪と贖罪の物語
- ハサウェイが父親との関係に一定の決着をつける展開
事件の核心: 8年前の交通事故死が事件の鍵。被害者たちは皆、その事故に関わっており、秘密の儀式を通じて許しを求めていました。連続殺人犯は、その事故で家族を失った遺族による復讐でした。
ルイス警部シーズン9第2話「錬金術殺人事件」完全ネタバレ解説。犯人の動機、許しの儀式の意味を徹底考察。8年越しの復讐が問う贖罪の本質とは?ルイス警部ファン必見。

第3話「絡まった結び目」
あらすじ: 穏やかなオックスフォードの夏の日、数学教授アダム・キャプストーンが小包爆弾によって殺害されます。アダムには複雑な人間関係があり、容疑者には事欠きません。金銭トラブルを抱える弟デイヴィッド、不倫相手たち、論文盗用を訴える学生ケイト、そして彼によって子供を妊娠させられた介護士サラ。
やがてデイヴィッドにも爆弾が送られ、ルイスとハサウェイは時間との戦いを強いられます。新しい上司ムーディからのプレッシャーも増す中、ルイスは自分のキャリアだけでなく、ホブソン博士とのニュージーランド旅行も危機に瀕します。
見どころ:
- 緊迫感あふれる爆弾テロ事件の捜査
- ルイスとホブソン博士の関係の行方
- ハサウェイの家族との和解
- シリーズ最終回にふさわしい、感動的なエンディング
- 彼らの人生がまだ続くことを予感させる、余韻の残る結末
ファイナルの意味: この最終エピソードは、単なる事件解決で終わりません。ルイスは刑事としての自分の存在意義を再確認し、ホブソン博士とともに新たな人生の一歩を踏み出します。ハサウェイも警部として成長し、自身の道を歩み始めます。
視聴者には、彼らの物語がここで終わるのではなく、これからも続いていくという希望が残されます。
ルイス警部S9第3話最終回を徹底解説。爆弾テロの真相、ラストシーンの意味、30年の歴史に幕。感動のフィナーレ完全網羅!

ルイス警部 シーズン9完全ガイド!シーズン10がないのは本家「主任警部モース」へのリスペクトだった!
本家「主任警部モース」へのリスペクト
シーズン9全3話(計33話)で終結し、シーズン10が製作されなかった理由は、実は感動的なものです。
主演俳優ケヴィン・ウェイトリーは、自身がルイス巡査部長として出演した「主任警部モース」全33話への深い敬意を抱いていました。そのため、「ルイス警部」の話数が「モース」を超えないよう、全33話で終わることを選択したのです。
この決断は、シリーズへの深い愛情と、原点である「主任警部モース」へのリスペクトの表れと言えるでしょう。
モース警部シリーズとの関係
「ルイス警部」は、コリン・デクスター原作の「主任警部モース」(1987年~2000年)のスピンオフ作品です。
モースの死後、その相棒だったルイスが主役となり、新たな相棒ハサウェイと共に事件を解決していく物語となっています。
シリーズには、モースへのオマージュが随所にちりばめられており、「主任警部モース」を見ていた視聴者にとっては、懐かしさと感動を味わえる作品となっています。
さらに、モースの若き日を描いた前日譚「刑事モース~オックスフォード事件簿~」も製作されており、三部作として楽しむことができます。
ルイス警部 シーズン9完全ガイド!シーズン9視聴情報(2025年11月現在)
Amazon Prime Video
全シーズンが配信されています。シーズン1のみ無料、シーズン2~9までは、レンタルまたは購入が必要です。
AXNミステリーチャンネル(現:ミステリーチャンネル)
定期的に再放送が行われています。最新の放送情報は公式サイトでご確認ください。
直近での再放送情報あり!
シーズン1~9・全33話
字幕版:11/22(土)朝6:00~11/24(月・振休)一挙放送
Hulu
シーズン1〜4まで配信されています。
BS11
過去に放送実績があります。2025年は2~5月で放送していたようですが、現在の再放送予定は未定です。
ルイス警部 シーズン9完全ガイド!あらすじ、ネタバレなどシーズン9の見どころ その2
ここからは、私の個人的な視点で見た、シーズン9の見どころです。
ネタバレしていますのでご注意を!
みんな歳をとった
ルイスの変化
「主任警部モース」に出演していた頃のルイスは、「いかにも若手」という雰囲気。
顔には皺がなく、髪もふさふさ。
二言目には、「家族が待っているから、今日はもう帰ります」と、小さい子がいるお父さんらしき面をのぞかせます。
一人暮らしのモースが、やたら飲みに誘ってくるのを、迷惑がっている様子が笑えるのです。
最終回でも、ちょっと皺が増えたかな、という程度。むしろ、年数が経ったぶん、貫禄が出たと感じられます。
モースが、最初から、髪も眉も真っ白なのとは対照的でした。
しかし、ルイス警部になると、「妻は事故死」「子供は独立した」という「一人暮らし」設定で再登場。
かなり歳をとったなーと感じたのですが、ルイス警部の最終回あたりになると、ずいぶんシワシワになり、「おじいちゃん感」がすごい!
一人で過ごす狭い部屋が、寂しく感じます。
ただし、年齢は上がっても、推理力は抜群で、新しい警視正のムーディーにも、信頼されていきます。
ルイス役を30年演じたと聞いて、それは年もとるよね、と納得しました。
ハサウェイもそれなりの年齢
ルイスが歳をとったぶん、ハサウェイも歳をとった訳で、シーズン9になると、「親が認知症」「介護」という、多くの人にとって身近な設定が加えられます。
ハサウェイは、お父さんとの関係があまりよくなかったのか、妹に父親の世話は任せきり。
介護施設の父親を見舞っても、怒らせてしまって、「こいつをつまみ出せ!」と言われて、辛くなってしまいます。
個人的な話で恐縮ですが、私の母も認知症で、たまにしか会わない私のことは忘れてしまっていました。
別れ際、「また会いましょう」と、他人行儀な挨拶をされて悲しく思ったことを、よく覚えています。
なので、クールでかっこいい役回りのハサウェイが、自分を忘れてしまった父親との接し方がわからず、不器用に振る舞う姿に、共感しながら見ていました。
みんな歳をとった
シーズン9第一話のラスト、ルイス警部が、ハサウェイとお父さんを釣りに誘うシーン。
ここは、涙なしには見られませんでした。
オックスフォードの美しい景色、明るい陽光の中で、釣り好きのお父さんはうれしそう。
ルイスに釣りの仕掛けを教わる息子を、笑顔で見守ります。
そして、「息子と釣りをしたいが、本好きなもので」と、寂しそうなお父さん。
目の前にいるのが息子だと認識できません。
するとルイスが、「きっと(息子さんも釣りを)やります」とお父さんに声をかけます。
おそらく、お父さんの中にいるのは、子供の頃のジェームズ君なのでしょうね。「もっと一緒に遊べばよかった」と、ずっと後悔していたのではないでしょうか。
そのお父さんを見つめるハサウェイも、やはり複雑な表情です。
お父さんが歳をとってしまったことで、自分が面倒を見る側になってしまったことに、気づいたのだと思います。
「一緒に釣りをしたいと言われて嬉しい」「でも自分が息子だとわかっていなくて悲しい」色々な感情が混ざり合っているようでした。
嬉しさより、切なさが際立つ場面です。
この辺りは、ルイスの優しさ、ハサウェイの悲しみを思って、涙が止まらなくなってしまいました。
ルイス警部 シーズン9完全ガイド!シーズン10がないのは本家「主任警部モース」へのリスペクト!シーズン10はなし、スピンオフもなし
シーズン9第一話は別れの準備
シーズン9は、ルイス警部のファイナルシーズンです。
第一話から、「それぞれの道に進む時が来ている、別れが近い」ことを、「歳をとったため、昔とは状況が違う」ことを見せて、さりげなく知らせています。
ルイス警部を演じるケヴィン・ウェイトリー、ハサウェイ役のローレンス・フォックスの二人は、シーズン9で役を降板することを表明しています。
二人とも、「もうやらない」と言っており、続編のシーズン10やスピンオフの話は、今のところありません。
第三話で迎えるエンディング
第三話では、ルイスとホブソン博士が、旅立つシーンで締めくくられます。
「タクシーが来ない」と玄関で焦るルイスですが、実はハサウェイが車で迎えに来ていました。
そして、手に持っている紙には、「LEWIS」と書かれています。
これには意味があります。
「ルイス警部」シーズン1第一話、ハサウェイがルイスを空港に迎えに行った時、やはり「LEWIS」と書かれた紙を持っていました。
そして、二人を空港まで送り、飛び立つ飛行機を見送るハサウェイの姿でエンディングです。
シリーズの始まりと同じ場所、同じ小道具でラストを迎え、ルイスは旅立つ。
余韻を残すラストであり、静かな感動に包まれます。
けれど、「終わり」を実感させる演出でした。
個人的には、この終わり方はベストではないか?と思っています。
謎解き、人間関係の変化と、脚本家さんの腕が光ったシーズン9でした。
ルイス警部 シーズン9完全ガイド!シーズン10がないのは本家「主任警部モース」へのリスペクト?あらすじ、ネタバレなど見どころも徹底解説!まとめ
「オックスフォードミステリー ルイス警部」シーズン9は、30年近い歴史を持つシリーズにふさわしい、静かな感動で締めくくられました。
謎解きでは、犯人を知ってから見るとまた違った趣があり、1回目は犯人探し、2回目以降は、光の使い方や細かい表情の変化を読み取るなど、違う見方ができます。
ルイスとハサウェイの深い絆、オックスフォードの美しい風景、そして複雑に絡み合う人間関係と事件。すべてが最高水準で描かれたシーズン9は、ミステリードラマファン必見の作品と言えるでしょう。
何度見ても新たな発見がある名作ドラマばかりです。
まだ視聴していない方は、ぜひシーズン1から通して見ることをおすすめします。そして、すでに見た方も、再視聴することで新たな発見と感動を味わえるはずです。

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